2022/10/14

読書の秋(正義で地球は救えない)

おはようございます。
今朝の白岡は小雨。
気温15℃

 このところ一気に気温が下がり『寒いな』と思っている朝


 10月でも真夏日だったのに、この頃は急に気温が下がった。
 愛用している「ウェザーニュース」アプリも今日は『肌寒い』。
 冷房だったエアコンもいつのまにか暖房になっている^^;

 ところで、気温に関連することで、21世紀以後世界中が騒ぐようになったのが「地球温暖化」現象だ。人間の社会活動によって生じた大量の二酸化炭素がその犯人とされ、今や如何にしてCO2の発生を減らすかということが話題に上らない日はないほど^^;
 ところが、すっかりCO2が原因だということになっている一方で、それに異を唱える科学者たちがいるのも事実で、その主張には説得力があったりする。

 個人的には、今の国際的な取り組みは、関連する企業・団体の利権がらみに思える部分もあり、CO2低減効果を歌いながら実質的にはどうなの?という疑問符がついてしまう(たとえば電気自動車の普及)ため、当てにならないと感じている。
 そこで、気候温暖化に関する本をいくつか読んでみるのだが、最近読んでいる「正義で地球は救えない」(新潮社、2008/10、池田清彦+養老孟司)がすでに14年前に指摘していた問題点が、相変わらず続いていることに、ある意味呆然とした。

鋭い指摘満載の良書
2008年出版なのに内容は今も古くない

 この本を読んで改めて思ったことは、地球は複雑系であり、CO2削減すれば温暖化は解決するというように考えるのはあまりにも雑な議論だということ。
 気候変動に影響する要素は他にもあり、たとえば『太陽活動』、『地球の磁場変動』、『火山噴火』、『地殻変動』、『海流変動』さらには『隕石衝突』などなど、
人間の人為的活動とは関係のないところで大勢が決まってしまう。

 そもそも地球上の生物は気候変動などによってカンブリア紀以降5度の大絶滅を経験していて、たとえば今から二億五千万年前のベルム期末には、海底火山が活発化して猛毒が噴き出したことやオーストラリア北西沖に巨大隕石が衝突したことなどにより、海洋生物を中心に全生物種の96%が絶滅したと言われている。
 今人類がせっせとCO2削減に励んだとして、それは長い目で見れば気休めに過ぎないような些細なことに感じてしまう^^;

 本書ではCO2削減よりももっと本質的な問題指摘がある。
 それは、ずばり人口問題だ。
 世界の人口はしばらく前の私の印象では60億くらいだった?のだが、実際には今の統計値によれば、まもなく80億だ。
 今年になってすでに1億人以上増えていることに驚く。
 2050年までにCO2カーボンニュートラル.....などと言ってるうちに、そのとき世界の人口は100億をとっくに超えている。
 そのとき、食糧供給、エネルギー供給は世界レベルで見て、大丈夫なのか?世界秩序を平和に保つことができるのだろうか?
 今はCO2に目を奪われているが、何か重大なことが見過ごされているのではないかという気持ちになってきた^^;

2022/10/04

読書の秋(嘘の木)

 読書から学ぶことはけっこう多いかもと思う日々


  「かがみの孤城」と同時にもう一冊借りた本があった。
 これも同じく週間新潮の書評で知った「嘘の木」(東京創元社、2017.10、フランシス ハーディング著、児玉敦子訳)だ。
 原作はオックスフォード大を出たフランシス・ハーディングという英国作家が2015年に書いた「The Lie Tree」で、この本も海外での有名な賞をいくつか与えられていて、知る人ぞ知る名作らしい。


 「嘘」を栄養として生育し、真実を伝える実を結ぶという木をめぐって、さまざまな人間模様が繰り広げられるファンタジー小説なのだが、思春期の多感な主人公の少女が、英国の田舎での父親の不可解な死と、突然の村八分に憤りながらも、密かに隠されていた「嘘の木」に嘘を与えて父の死の真実を探ろうと奮闘する、よくできたミステリー小説でもある。
 こちらは着想が面白くてつい最後まで読んでしまったのだが、読んで気持ちが前向きになるかと言えばそんなこともなく、お暇ならどうぞ、といったところか^^;
 英国の田舎で繰り広げられた「村八分」の描写は、個人的には新たな発見といえば発見だったかも。

 小説はたいがいフィクションで、発想が自由に膨らませる意味でファンタジー系が多くなるのはある意味仕方がないのだと思うけれど、最近NetflixやAmazon Primeなどのアニメも、『異世界』や『魔法』、『タイムトラベル』など、現実とはかけ離れた内容のものが目につくのは何なんだろう?と感じたりする。
 それで、『嘘の木』のなかに鋭い指摘があって思わず笑った^^
 ”『魔法』は答えではない。それは答えを探すことから逃げるための口実にすぎない。”
 作家自身もうすうす感じていたのだろう。

 この本のなかで次の一節が特に気に入ったので、引用しておく。
 ”熱情はガスのようなもので、目に見えないときがもっとも危険だ。いつどこで誤って発火するかわからない。”

 自分の中に潜む熱情が読書をきっかけに発火したら、それはそれで面白いかもね、と思ったりしたのだった(笑)

2022/10/02

読書の秋(かがみの孤城)

おはようございます。
今朝の白岡は晴れ。
気温18℃

 秋らしい日々の訪れは気温によって気づかされるなと思う朝


 日中はそれでも25℃を超えて30℃近くになる日々が続く.....。
北海道で昨日30℃超えの真夏日、10月の真夏日は初、との報道。

10月1日の各地の気温(ウェザーニュースより)
全国的にまだ暑い💦

 それでも、朝は涼しく、冷房を入れずに過ごせる時間が長くなり、気分も落ち着いてきて、ゆったり読書ができるようになった。

 さて、今まで週刊誌の書評などを見て本を読むことはあまりなかったのだが、先日たまたま購読している”dマガジン”で週間新潮のバックナンバーでの書評を読み、『かがみの孤城』(辻村深月、2017/5/11、ポプラ社)が紹介されていて興味を引き、面白そうだったので図書館で借りて読んでみた。いろいろな賞を得た、けっこう知られた本のようだった。



ポプラ社の紹介ページより

 表紙の絵だけを見ると安っぽい少女小説のような印象なのだが、読み始めるとぐいぐいと引き込まれたのは、やはり作者の力量によるのだろう。

 この本のテーマは「いじめ、そしてその克服と救い」といったところだろうか。
 現実には起こり得ない時空を超えた世界でのストーリー展開なので、実際に現実問題として日々「いじめ」と闘う人にとってはなんの慰めにもならないものかもしれないのだが、それを克服しようと思った場合には、何かの手がかりが得られるかも知れないと感じる内容。
 実際にひどい「いじめ」にあって、学校に行くことができなくなり、引き篭もりとなって、人生を大きく狂わせられた人々は、この日本にどれくらいいるのだろう?他人事みたいに思う人々の無関心によって、どのくらいの子供達が今も人知れず苦しんでいるのだろう?.....ふとそんなことを思う。
 本の中では、最後に救いが用意されていて、読後感は明るい。
 
 今回、この本について書こうかなと思って調べたら、なんとこの冬にアニメ化されて12月には公開されることになっていた!
 Youtubeで紹介動画が公開されているのも知らなかった^^;
 いずれにしろ多くの人の関心を集めた話題作だったのだ。

(10月3日追記)
Cecilieさんのコメントにあった辻村深月さんのインタビュー動画がとても興味深く思われるので、リンクを貼ります。

また文学Youtuberベルさんのレビュー動画もご参考までにどうぞ。