2022/10/04

読書の秋(嘘の木)

 読書から学ぶことはけっこう多いかもと思う日々


  「かがみの孤城」と同時にもう一冊借りた本があった。
 これも同じく週間新潮の書評で知った「嘘の木」(東京創元社、2017.10、フランシス ハーディング著、児玉敦子訳)だ。
 原作はオックスフォード大を出たフランシス・ハーディングという英国作家が2015年に書いた「The Lie Tree」で、この本も海外での有名な賞をいくつか与えられていて、知る人ぞ知る名作らしい。


 「嘘」を栄養として生育し、真実を伝える実を結ぶという木をめぐって、さまざまな人間模様が繰り広げられるファンタジー小説なのだが、思春期の多感な主人公の少女が、英国の田舎での父親の不可解な死と、突然の村八分に憤りながらも、密かに隠されていた「嘘の木」に嘘を与えて父の死の真実を探ろうと奮闘する、よくできたミステリー小説でもある。
 こちらは着想が面白くてつい最後まで読んでしまったのだが、読んで気持ちが前向きになるかと言えばそんなこともなく、お暇ならどうぞ、といったところか^^;
 英国の田舎で繰り広げられた「村八分」の描写は、個人的には新たな発見といえば発見だったかも。

 小説はたいがいフィクションで、発想が自由に膨らませる意味でファンタジー系が多くなるのはある意味仕方がないのだと思うけれど、最近NetflixやAmazon Primeなどのアニメも、『異世界』や『魔法』、『タイムトラベル』など、現実とはかけ離れた内容のものが目につくのは何なんだろう?と感じたりする。
 それで、『嘘の木』のなかに鋭い指摘があって思わず笑った^^
 ”『魔法』は答えではない。それは答えを探すことから逃げるための口実にすぎない。”
 作家自身もうすうす感じていたのだろう。

 この本のなかで次の一節が特に気に入ったので、引用しておく。
 ”熱情はガスのようなもので、目に見えないときがもっとも危険だ。いつどこで誤って発火するかわからない。”

 自分の中に潜む熱情が読書をきっかけに発火したら、それはそれで面白いかもね、と思ったりしたのだった(笑)

0 件のコメント:

コメントを投稿