2024/06/08

元寇防塁を訪ねて

 歴史的遺構に立ち、先人達の息吹を感じた日



 先日福岡の親族を訪ねた時に、元寇防塁跡を訪ねた。
 福岡は玄界灘に面しており、対馬海流が流れていて、豊富な水産物でも知られるが、個人的には何と言ってもその昔、元寇のあった地としての印象が強い。
 日本の歴史上、大陸から攻め込まれた唯一の大事件であり、日蓮の蒙古襲来警告の大予言、神風が吹いたことによる元軍の撃退など、刺激的な興味深いエピソードもあって、この元寇は日本人なら誰でも知っている(と思う)。
 神風による勝利については、あまりにも自然現象による奇跡的側面が強調され、実際に戦った武士達の実力により元軍を押し返したことが過小評価されてきたと何かで読んだ。しかしどうしても神風のイメージが強すぎて、なかなか実感する機会はなかったのだが.....
 親族の家から歩いて30分弱のところに、玄界灘に面して生(いき)の松原海岸森林公園があり、元寇防塁という、元寇に備えて、岩を積み上げて作られた、当時の防壁の遺跡があるというので、これも何かの縁、訪ねてみることにした。

 訪ねた生の松原は、弘安の役(1281年6月志賀島上陸〜)の時、(国宝)蒙古襲来絵詞に描かれる竹崎季長が、戦いに向けて出発した拠点となった場所。その時の防塁が残っているのだ。

蒙古襲来絵巻に描かれた生の松原防塁

 実際の防塁遺構はこのようになっている。

生の松原、元寇防塁
2024年5月26日撮影

元寇防塁の説明図

 図左の海側から寄せてくる敵兵を足止めし、守る側からは攻めやすく、結果的に防御しやすい構造になっていることがよく分かる。この防塁を見て、今から約800年前の先人達の知恵が偲ばれ、先人達の戦いをリアルに感じ取ることができた。

生の松原森林公園内にある元寇防塁碑(昭和6年建立)

 今回訪ねた生の松原海岸は、よく整備されていて、散策するにはもってこいの場所だ。一緒に訪ねてくださった親族の方も、「これから時々来ようかな〜」とのこと。近くに住んでいると、意外に訪ねることもなく、今回再発見されたようだ。

海岸線に沿って整備された遊歩道

 生の松原海岸は、砂浜になっているところと大きな岩が敷き詰められているところがあり、変化に富んだ面白い構成になっている。

砂浜のところで「あれは能古島(のこのしま)」
この砂浜の右方が岩を積み上げられて作られている海岸線

大きな岩が連なる海岸線
ひととき、元寇の昔に想いを馳せる...

岩が綺麗に積み上げられている海岸線
はじめ、これを防塁かと勘違いした^^;

 前方に見える能古島にはヨットハーバーがあるようで、帆柱が何本も見えた。かっての古戦場も、今は豊かな観光地として、多くの人に親しまれているようだ。
 この日の岩の海岸に寄せる波は穏やかで、平和な現在を象徴するかのようであったが、ご参考までに、その雰囲気を伝える動画をアップしておきます。

生の松原海岸に寄せる波
(3回Loopしますので、適当に止めてください)

2024/06/05

太宰府を訪ねて

 太宰府天満宮は1100年余りの歴史、多くの変遷を感じる朝


 先日、福岡の親族を訪ね、その折に太宰府天満宮、九州国立博物館を訪ねた。太宰府には学生時代の1975年春に友人達と訪ねたことがあり、思い起こせば49年ぶりの再訪だった。学生時代の旅行時に撮影した8mmフィルムの動画には、楼門の周囲の様子が撮影してあり、楼門近くの大きな樟の木に寄りかかる若かりし自分の姿があって、この樟の木にまた寄りかかってみたいものだと思った。

1975年3月、太宰府天満宮楼門と近くの樟(と私)
(8mm動画より切り出し)

1975年3月、太宰府天満宮楼門近くの樟にて
(8mm動画より切り出し)

 当時の8mm動画から切り出した画像で分かるように、楼門に行けば大きな樟の木があって.....と考えたのだったが.....??
 実際に現地に行ってみると、当時私が寄りかかった大きな樟は見当たらず、地理的な印象も49年前とはかなり変わってしまったようであった。

 一方、49年前の記憶には残っていなかった、樹齢1500年を超えると言われ、国の指定天然記念物となっている大樟の木があったので、この木で記念撮影してきた。

国指定天然記念物の太宰府天満宮大樟
なんだか49年前の樟の方が大きかったなぁ.....

 また、ちょうど今は、太宰府天満宮本殿の改修工事が行われており、本殿と楼門の間に仮殿が建てられ、そこで色々な神事が行われているようだ。仮殿の屋根には植物が生い茂っていて、何やら異世界のような感覚を覚えた。

太宰府天満宮仮殿での神事
2024年5月25日

 ところで、日本には国立の博物館が五つあるそうなのだが、皇居三の丸尚蔵館は別格として、東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館に次いで、四つ目の国立博物館として九州国立博物館が、この太宰府天満宮の敷地に隣接して19年前の2005年に開館しているというのは興味深いことだ。
 九州国立博物館の建設に際し、太宰府天満宮が敷地の多くを寄贈しているとのこと。学問の神様を祀る神社らしいエピソードだ。

 ということで、せっかくなので天満宮から歩いていける九国にも足を運んでみた。
 途中には歩く歩道が整備されていて、楽に行けるように配慮されているのはありがたい。またカラフルな光装飾がなされて、楽しい雰囲気なのも嬉しい。

九国への道


九州国立博物館はガラス張りの綺麗な建物


九州国立博物館入り口にて
2024年5月25日

 九国には埴輪の大きな実物などが展示されていて、なかなか見応えのあるものが多かった。今回は手で触れることはできなかったが、この夏には実際に触れることができるような展示も行うようで、関心のある人にとっては楽しいことだろうなと思われた。